予防接種・ワクチン
予防接種・ワクチン

ワクチンとは、毒性を弱めた病原体(ウイルスや細菌)や毒素を前もって投与することで、病気にかかりにくくするためのものです。予防接種で投与するものを「ワクチン」または「トキソイド」と呼びます。
予防接種には、法律に基づき市区町村が主体となって行う「定期接種」と、希望者が自費で受ける「任意接種」があります。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんをはじめ、肛門がん、腟がんなどのがんや、尖圭コンジローマ等、さまざまな病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。
HPVの感染を予防することにより子宮頸がんの発症を防ぐHPVワクチンが開発され、現行のHPVワクチンにより子宮頸がんの50〜90%を予防できると考えられており、WHOはその有効性と安全性を確認し、性交渉を経験する前の10歳代前半に接種をすることが推奨されています。
欧米先進国や日本においても、ワクチン接種によりHPV感染率や前がん病変の頻度が接種をしていない人に比べて減少することが明らかになっています。
HPVの中には子宮頸がんをおこしやすい種類(型)のものがあり、HPVワクチンは、このうち一部の感染を防ぐことができます。
現在、日本国内で使用できるワクチンは、防ぐことができるHPVの種類によって、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類あります。
HPVワクチンは、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、定期接種が行われています。
インフルエンザウイルスは、冬季に流行し、感染すると発熱、頭痛、全身倦怠感、関節痛、鼻水、咳等の症状を引き起こします。ワクチンによって感染を完全に防ぐ効果はありませんが、インフルエンザの発症を予防することや、発症後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。
妊娠中の方は重症化しやすいため、接種が特に推奨されます。妊娠を考えている時期から妊娠中・授乳中まで接種でき、母体だけでなく、生まれた赤ちゃんにも予防効果があります。
麻しんウイルスは感染力が非常に強く、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症しますが、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
大人になってから麻疹を発症すると重症化しやすいと言われており、体の抵抗力が一時的に低下するため、肺炎や脳炎、心筋炎などの合併症を起こすケースもあるため、注意が必要です。
特に、妊婦さんが麻疹にかかってしまった場合、流産や早産のリスクが高くなるのに加え、自身も重症化しやすく、非妊娠時よりも死亡率が上がることが分かっています。
妊娠初期に風しんウイルスに感染すると、赤ちゃんに難聴、白内障や心疾患を引き起こす先天性風しん症候群という障害を起こすことがあります。
風しんは、一度自然に感染すると一生続く免疫が体内に作られるため、その後風疹にかかることはないとされています。
自治体によっては、条件を満たせば無料で風しん抗体価検査を受けることができます。
風しん抗体価検査とは、風しんに対して十分な抗体があるかどうかを確認するものです。
抗体検査の結果、抗体価の低いと判明した方は、予防接種をお受けになることをお勧めします。
風しん抗体検査の結果、抗体価を十分に獲得していない次のいずれかに該当する方は、予防接種費用の助成を受けることができます。