卵巣腫瘍
  卵巣腫瘍

卵巣は子宮の左右に一つずつありますが、この部位に発生する腫瘍を卵巣腫瘍といいます。悪性度によって良性、境界悪性、悪性の3つに分けられています。いずれも若い世代から閉経後まで幅広い年齢で発症することがあります。
卵巣腫瘍は、初期にはほとんど自覚症状がないことが多く、検診や画像検査で偶然見つかることがあります。腫瘍が大きくなると、下腹部の張り、頻尿、便秘といった症状が現れることがあります。また、腫瘍が破裂したり、腫瘍がねじれたりすると、突然の激しい下腹部痛や吐き気を伴うことがあり、緊急の対応が必要となる場合もあります。
超音波検査、MRI検査、腫瘍マーカーの測定を行い、良性か悪性かの判断を行います。
サイズが大きくなく、良性が考えられる場合は、定期的な画像検査を行い経過観察します。悪性が疑われる場合やサイズが大きい場合は、手術療法を選択します。
良性腫瘍の手術では、腫瘍部分のみを摘出する「嚢腫摘出術」や、卵巣、卵管ごと取り除く「付属器摘出術」などがあります。悪性腫瘍が疑われる場合は、原則開腹手術となり、腫瘍の広がり具合に応じて、卵巣や卵管だけでなく、子宮や大網、さらには後腹膜リンパ節の摘出が必要となることもあります。
今後妊娠を希望する方には、悪性腫瘍であっても、進行期によっては、卵巣や卵管、子宮の温存を試みることがあります。