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外陰部の痛み(Vulvodynia)とは?ヒリヒリ・灼熱感の原因と治療を婦人科医が解説
「外陰部がヒリヒリする」「触れると痛い」「性交時に強い痛みがある」
といった症状でお悩みではありませんか。
検査で異常がないと言われたにもかかわらず、
痛みが続いている場合、**Vulvodynia(外陰痛)**という状態の可能性があります。
これは、はっきりとした異常が見つからないにもかかわらず、
外陰部に慢性的な痛みが続く疾患です。
Vulvodynia(外陰痛)とは
Vulvodyniaとは、外陰部に
- ヒリヒリする
- 焼けるような痛み(灼熱感)
- 触れると強い痛み
といった症状が続く状態で、
感染や腫瘍など明らかな原因がないことが特徴です。
一見異常がないため、
「気のせいではないか」と悩まれる方も少なくありません。
痛みのタイプ(とても重要)
Vulvodyniaは大きく2つに分けられます。
① 触れると痛いタイプ(誘発性)
- 性交時の痛み
- 下着が当たると痛い
👉 最も多いタイプ
② 何もしていなくても痛いタイプ(自発性)
- 常にヒリヒリする
- 座ると痛い
さらに
- 局所(入口だけ痛い)
- 広範囲(全体が痛い)
などに分かれ、治療方針が変わります。
主な症状
- 外陰部のヒリヒリ感・灼熱感
- 性交時痛
- 下着やナプキンで痛む
- 長時間座るとつらい
症状は数ヶ月〜数年続くこともあります。
なぜ起こるのか(原因)
Vulvodyniaは1つの原因ではなく、複数の要因が関与します。
神経の過敏化
痛みを感じる神経が過敏になり、
軽い刺激でも強い痛みとして感じます。
ホルモンの影響
エストロゲン低下により、
粘膜が敏感になることがあります。
慢性的な炎症や刺激
- カンジダの繰り返し
- 摩擦
- 洗いすぎ
などが関係することがあります。
骨盤底筋の緊張
筋肉の緊張が痛みを増強させることがあります。
よくある経過
実際の診療では、
カンジダと診断され治療を繰り返しているが改善しない
という経過の方が多くみられます。
「異常なし」と言われている場合でも、
痛みが続く場合はこの疾患を考える必要があります。
検査と診断
Vulvodyniaは診察で診断する疾患です。
主に行うのは
- 問診
- 視診
- 綿棒による痛みの確認
です。
※ 特別な検査が必要ないことが多いのが特徴です
治療方法(重要)
Vulvodyniaは1つの治療で治る疾患ではなく、組み合わせ治療が基本です。
① 外陰ケア(最も重要)
日常生活の見直しで改善することもあります。
- 洗いすぎない
- 刺激の少ない下着
- 摩擦を減らす
👉 治療の土台になります
② 局所治療
- リドカイン(局所麻酔)
- 保湿剤
痛みを一時的に和らげる効果があります。
③ 内服薬
神経の痛みを抑える薬を使用することがあります。
- 抗うつ薬
- 神経障害性疼痛治療薬
④ 骨盤底筋治療
- リハビリ
- ストレッチ
👉 性交痛がある方に重要
⑤ 心理的サポート
慢性的な痛みのため
- 不安
- ストレス
が関与することもあります。
⑥ 手術(限られたケース)
一部の患者さんで検討されることがありますが、
一般的ではありません。
GSM・おりもの異常との違い
Vulvodyniaは以下と症状が似ています。
- GSM(閉経関連症候群)
- おりもの異常
- 腟炎
原因が異なるため、
正確な診断が重要です。
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GSMとは?(内部リンク)
おりもの異常とは?(内部リンク)
こんな方は受診をおすすめします
- 外陰部の痛みが続く
- 性交時に強い痛みがある
- 治療しても改善しない
- 「異常なし」と言われたがつらい
👉 これらはVulvodyniaの可能性があります
大阪府羽曳野市で外陰部の痛みにお悩みの方へ
当院では、外陰部の痛み(Vulvodynia)に関する診療を行っています。
この症状は、
「どこに相談していいか分からない」
という方が多い疾患です。
丁寧にお話を伺い、症状に合わせた治療をご提案いたします。


